こんにちは、2級FP技能士の紗季です。
このブログは親のためのお金の教科書です。「我が子に金融の知識を教えたい!」と思う親のみなさんに向けて、お金に関する知識、資産運用のノウハウや子どもへの教え方について解説しています。
このブログについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
今回のテーマは、6歳までに理解しておきたいお金のことについてです。
未就学児にお金の教育をしたいけど、何をすればよいのかわからないな。
こんな悩みを持つ方のために、未就学児にも理解しやすいお金の知識をご紹介します。親子の楽しい時間の中に気軽にお金の教育を取り入れられたらいいなという思いから、難しすぎないこと、楽しんで取り組めることを条件にピックアップしました。
・未就学児に教えるべき具体的な内容
・お金に興味をもってもらう方法
それでは始めましょう!
お金の教育とは?
お金の教育とは、お金にまつわることを幅広く扱う教育です。
具体的にいうと、「お金とは何か」という原始的な問いから始まり、
- お金との付き合い方を学ぶ金銭教育
- 資産運用や経済を学ぶ金融教育
- お金の使い方を学ぶ消費者教育
がメインとなります。さらには、詐欺などのお金に関するトラブルについても学びます。
年齢が低いうちは「おこづかい」や「貯金」など、直接お金に触れて学ぶ金銭教育がメインです。実際に体験することで、お金が増えたり減ったりすることや、お金でモノを買うことについての概念を理解していきます。その土台を作ったうえで、小学校高学年頃からは金融教育や消費者教育といった高度なものを学んでいきます。
未就学児から始めたいお金の教育
お金の教育を始めるのは、小さければ小さいほど良いです。なぜなら、好奇心旺盛な幼少期であれば、楽しみながら自然にお金の大切さを学ぶことができるからです。
お金が無尽蔵に出てくるものではないことを知れば、今あるモノを大切にする気持ちが育ち、買い物の際に「本当に必要なものか」と自分に問いかけることができるようになるでしょう。この習慣が身につけば、大人になってからも無駄遣いをすることなく、賢いお金の使い方ができるようになるのです。
お金の大切さを学ぶことは、お金の教育の第一歩です。「こんなに小さなうちからお金の教育が本当に必要なのかな?」と思っている方も、ぜひ始めてみましょう。
楽しみながら教育を!
教育といっても、机に向かってかしこまる必要はありません。むしろ教育ということを意識し過ぎて教えてしまうのは、この年齢の子どもには逆効果。お金の勉強をしたくなくなってしまうかもしれません。
- 「お金の勉強って楽しい」
- 「お金って凄いものなんだ」
- 「お金ついてもっと知りたい」
こんなふうに子どもに思ってもらえれば、この時期は大成功です。子どもが楽しめるように工夫してあげましょう。
未就学児向けのお金の教育方法
その1.お買い物ごっこをする
まず始めたいのが、お買い物ごっこです。お金のおもちゃやおままごとグッズなどを使って、お買い物ごっこで遊びましょう。
お買い物ごっこをすることで、お金と引き換えにモノの売り買いができるということを理解できるようになります。
- お客さんの立場として、「お金」によって欲しい「モノ」が手に入る
- お店の人の立場として、「モノ」を売ることで「お金」が手に入る
お客さんとお店の人の両方の立場を経験して、売買の基本を理解していきましょう。
また、こんなワンランク上のお買い物ごっこもあります。
↓
②どうしてその値段をつけたのか、理由を聞く
↓
③一般的な価格を教えてあげる
例えば、子どもに「このハンバーガーの値段はいくらにする?」と相談します。子どもが「500円かな!」と答えたら、「500円か、けっこう高いね。どうして500円にしたのかな?」と理由を聞いてみます。「ここにチーズが入ってるから高いんだよ」と教えてくれるかもしれませんし、「高いの?じゃあ値段を下げようかな」と値段を変えてみるかもしれません。
このやりとりこそがお金の教育です。これをきっかけに、モノの価値と値段の関係について考えることができるようになります。
- 買いたいモノが適切な値段かを判断できる
- 自分にとって価値あるモノにお金が使える
幼少期から考える癖をつけておくことで、大人になってからも上手にお金を使えるようになるのです。
その2.家庭で仕事の話をたくさんする
親は子どもにとって、最も身近な社会人です。ほとんどの家庭ではお父さんやお母さんが社会に出て仕事をして、お金を得ることで日々の生活をしていると思います。その仕事の話を、以下の3つのポイントを軸に、たくさん話してあげてください。
- どんな仕事をしているか
- どんなところが世の中のためになっているのか
- どうしてその仕事を選んだのか
どんな仕事をしているかについては、医者であれば「患者さんの病気を治している」、技術者であれば「〇〇という製品を作っている」というように、簡潔に教えてあげましょう。
また、そのお仕事がどのように世の中のためになっているかについて、教えてあげましょう。どんな仕事でも、世の中の誰かのためになっているから、お金を得ることができます。その誰かのどんな問題を解決しているかを教えることで、子どもは「仕事ってすごいことなんだ」と感じ、仕事に対してポジティブな印象を持つことができます。両親を尊敬するきっかけにもなります。
そして、なぜその仕事を選んだかについても教えてあげましょう。「病気の人を救いたいと思った」とか「機械を触るのが好きだった」などの子どものときの話や、「人とたくさん話す仕事をしたかった」とか、「チームで仕事をしたがった」など就活で話すようなことでも構いません。大事なのは、自分で選んだ仕事をしているということを伝えることです。もし仕事に嫌気が差していたとしても、t当初選んだのはあなたですよね。今の感情はひとまずおいておき、選んだ当時の気持ちを思い出して、理由を教えてあげましょう。
また、日頃から、仕事に対してネガティブな言葉を使わないように注意しましょう。
- 〈休み中〉明日から仕事嫌だな…
- 〈帰宅後〉今日も仕事辛かった…
ついつい言ってしまいがちなこれらの言葉。たとえ奥さんや旦那さんに言っていたとしても、意外と子どもは聞いています。そうすると、子どもは自然と仕事に対して嫌なイメージを持ってしまい、働くことにネガティブな感情を抱きやすくなってしまいます。仕事は人が生きていくうえで大切なこと。それなら、できる限り明るい気持ちで取り組めるようにしてあげたいですよね。このように好ましいほうへ誘導してあげるのも、お金の教育の一環です。
その3.お金に対する興味や関心を育む
幼少期のうちから実際にお金を一緒に数えてみたり、使ってみたりして、お金に対して関心を持てるようにしてあげましょう。初めは、自動販売機や券売機、Suicaのチャージ、ガチャガチャなど、金額のわかりやすいものがおすすめです。例えば、200円のガチャガチャなら、「100円玉が何枚いる?」と聞いて、自分で考える癖をつけてあげます。慣れてきたら、他の硬貨も必要なパターン、お釣りをもらうパターンなど、少しずつ複雑なものにチャレンジさせてあげましょう。
また、お店で実際に親がお金を使っているところを子どもに見せることも大切です。
お金を払う → お釣りをもらう → 商品を受け取る
この一連の流れを客観的な立場で見せることで、「商品を手に入れるにはお金が必要なんだな」と理解することができるようになります。現代はキャッスレスが便利ですが、時々は現金で払うところを見せてあげられるといいですね。
その4.貯金箱を与える
3歳になったら、透明の貯金箱をプレゼントしましょう。なぜ透明?それは、子どもが貯まっていく様子を見られるようにするためです。小さいうちは貯金の大切さや必要性を理解するのは難しいので、「たくさん増えていって嬉しい!大金持ちだ!」という気持ちをモチベーションに貯金をがんばってもらいます。
幼少期のうちから貯金を習慣にできると、大人になってからも上手に貯めることができるようになります。楽しみながら習慣づけられるように工夫してあげましょう。
貯金箱にお金を入れるタイミングはこんなときです。
- 毎月のお小遣いをもらえる日
- お手伝いを頑張ったとき
- おじいちゃん、おばあちゃんからおこづかいをもらったとき
もらったらまず貯金箱に入れることを習慣づけましょう。
また、欲しいものがあったときは、貯金箱の中からお金を出して買います。欲しいものを手に入れた代わりに貯金箱のお金が減った、ということを親子で一緒に確認しながら、日々のお買い物や貯金を楽しみましょう。
その5.お金に関する絵本を読み聞かせる
絵本でもお金の教育をすることができます。読み聞かせをすることで、絵、文字、声の3つの情報を同時に感じてもらうことができるため、記憶が定着しやすいといわれています。言葉だけではなかなか伝えにくいお金の知識でも、絵本を使うことで身につきやすくなるのです。
絵本が好きな子どもは多いですよね。子どもが主体的に、お金の教育に参加してくれそうですね。
まとめ
今回は、未就学児向けに行うべきお金の教育についてお話ししました。
最も大切なポイントは、子どもが楽しみながら勉強できること!
我が家の4歳の息子は、アイスクリームの自動販売機とよく行く遊び場の券売機を使う際、必ず自分でお金を入れたがるようになりました。もう少しわかるようになってきたら、周りの迷惑にならない程度にレジも体験させてあげたいと思っています。
お子さんの状況に合わせて、取り入れられるところからチャレンジしてみてくださいね。
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