こんにちは、2級FP技能士の紗季です。
このブログは親のためのお金の教科書です。「我が子に金融の知識を教えたい!」と思う親のみなさんに向けて、お金に関する知識、資産運用のノウハウや子どもへの教え方について解説しています。
このブログについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
さて、今回のテーマは為替です。
ニュースで聞くことのある、「1ドルが140円を超えました」「円安が止まりません」というセリフは、すべて為替に関するものです。
実はニュースの意味もよくわかっていない…という方にも理解してもらいやすいように、今回は初心者向けとして、重要なポイントを絞って解説していきたいと思います。為替はお金の教育をするなかで、特に仕事・投資・経済を知るうえでポイントとなるので、ぜひ理解しておきましょう。
・為替の意味と仕組み
・為替が私たちの生活に与える影響について
・円高、円安の意味
それでは始めましょう!
為替とは?
為替とは、元々は約束手形など、現金を使わずにお金のやりとりをする方法のことをいいました。現代ではインターネットで完結するような銀行の口座振込やクレジットカード支払いも、為替に含まれます。
こういったやりとりのことをすべて為替というのですが、一般的には為替=外国為替取引を意味することがほとんどです。外国為替取引では通貨の交換を伴います。ある通貨を別の国の通貨に交換することが最もメジャーな為替です。
為替相場とは?
通貨と通貨を交換するときの比率のことを為替相場や為替レートといいます。(例:1ドル=135円40銭)
通貨は、為替相場に従って交換をします。例えば、1ドル=130円のときには、日本円130円を支払うと1ドルを手に入れることができます。(厳密には手数料がかかりますが、ここでは無視して説明します)
また、為替は以下のように、通貨の種類ごとに決まることも覚えておきましょう。
- 円とドル
- 円と元
- ドルとユーロ
為替相場はどうして変わるの?
1ドル=110円になったり、1ドル=130円になったり、為替相場は24時間常に変動しています。なぜ変動するかというと、買いたい人と売りたい人の比率が変わり、そのバランスによって為替相場が決定されるからです。株も同じ仕組みですよね。
例に、日本円を基準に考えてみましょう。
また、これらの需給のバランスは、政治、経済、社会などの要因で変化します。為替相場を予想したければ、これらの情報を出来る限りたくさんとり、その情報に基づいて考えることが必要です。
円高とは円の価値があがることです。例えば、1ドル=100円のときには100円を得るために1ドル必要ですが、1ドル=50円になると、同じく100円を得るためには2ドル必要になります。つまり、100円を得るために2倍のドルが必要になるので、円の価値が上がったことになります。このように、1ドル=100円から1ドル=50円になることを「円高になった」というのです。
反対に、1ドル=100円から1ドル=200円になれば、「円安になった」ということができます。
円の価値が上がるか下がるかで考えるのがポイントです。
為替取引をする目的は?
1.海外で買い物をするため
日本では支払いや給与の受け取りを円で行いますが、アメリカや中国といった海外では円を使うことはできませんよね。そのため、海外旅行などに行く際には当然その国の通貨に交換する必要がでてきます。
日本など先進国ではキャッシュレス決済が広まっていますが、まだまだ現金支払いが主流のところもあり、その場合は現地の通貨を準備することになります。特に新興国などでは、現金払いが多いのが現状です。
2.商売のため
例として、ある会社が日本で自動車を作り、アメリカで売るという場合を考えてみます。アメリカ人がアメリカで自動車を買うときには、ドルで支払いますので、当然日本の会社は売上をドルで手に入れることになります。しかし、日本では従業員に給与を支払う際は円にしてもらわないと困ってしまいますよね。そんなときに、ドルから円にする為替取引が必要となるのです。
3.投資をするため
日本にいても、海外に投資することはできます。海外の会社の株や国債、不動産を買う時には、現地の通貨で支払う必要があります。例えば、アメリカのAppleの株を買う場合はドルでしか買えないので、事前に円をドルに換える必要があります。このタイミングで、為替取引が必要となります。
余談ですが、海外の投資については、株価だけでなく為替レートも価格の変動に起因するため、円安、円高など、通貨の価値についても気にしなければいけないことを覚えておいてくださいね。
4.FX取引のため
FX取引とは、外国の通貨を売買して、為替レートの変動による差額を利益として得る投資のことです。例えば、1ドル=100円のときに1ドルを購入し、1ドル=110円のときに売却すれば、10円の利益を出すことができます。(本来は手数料がかかりますが、ここでは無視しています)FX取引の際にも、為替取引が必要となります。
為替は私たちにどう影響を及ぼすの?
生活への影響
日本は資源がないため、原油や天然ガスなどのエネルギー資源を海外からの輸入に頼っています。円安になると、同じ輸入品に対して多くの円を払わなければいけなくなるため、生活が苦しくなります。具体的には、電気代やガス代などの高騰につながります。
また、海外旅行に行く際にも、円安の場合は旅費や滞在費が高くなります。例えば、アメリカの1泊100ドルのホテルに泊まるとき。1ドル=100円のときには10,000円ですが、円安が進み1ドル=150円になると15,000円を支払わなければいけないことになります。
企業への影響
円安になると、輸出が中心の企業は業績が上がります。なぜなら、同じ売上額をドルで得た際に、円安のときのほうが円に交換するときに多く換算できるからです。
例えば、アメリカに自動車を1万ドルで輸出したとします。1ドル=100円のときは100万円の売上になりますが、円安が進んで1ドル=130円になると、130万円の売上となります。
逆に、輸入企業は、円安になると業績が悪化します。このような海外とのやりとりをする企業にとって、為替は業績を左右する大きな要素となっています。
円高と円安どちらも、それぞれの立場によってメリット、デメリットがあることを覚えておきましょう。
まとめ
今回は、為替について説明をしました。今まで為替と聞いてもよくわからなかった方も、具体的なイメージが湧くようになっていればいいなと思います。
また、為替に付随して、円安円高についても解説をしました。今後ニュースなどで扱われたときには、より理解しやすくなったのではないかと思います。「あれ?なんだっけ?」と忘れてしまったときには、またこの記事を読んで思い出してくださいね。
当ブログでは、他にも初心者向けの記事をたくさん公開しています。気になるものがあれば、ぜひ読んでみてくださいね。
コメント