お金の教育

中学生向けのお金の教育方法!早くから身につけたい世の中の「お金の仕組み」【キャッシュレス/投資/詐欺】

こんにちは、2級FP技能士の紗季です。

このブログは親のためのお金の教科書です。「我が子に金融の知識を教えたい!」と思う親のみなさんに向けて、お金に関する知識、資産運用のノウハウや子どもへの教え方について解説しています。

このブログについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

今回のテーマは、中学生向けのお金の教育方法です。いろいろなことがわかってくる中学生が知って楽しいと思えるような、簡単すぎない内容を集めました。

✔この記事でわかること
 ・中学生にはどんなことを教えればよいのか
 ・親も一緒に体験できること

それでは始めましょう!

お金の教育とは?

お金の教育とは、お金にまつわることを幅広く扱う教育です。

具体的にいうと、「お金とは何か」という原始的な問いから始まり、

  • お金との付き合い方を学ぶ金銭教育
  • 資産運用や経済を学ぶ金融教育
  • お金の使い方を学ぶ消費者教育

がメインとなります。さらには、詐欺などのお金に関するトラブルについても学びます。

年齢が低いうちは「おこづかい」や「貯金」など、直接お金に触れて学ぶ金銭教育がメインです。実際に体験することで、お金が増えたり減ったりすることや、お金でモノを買うことについての概念を理解していきます。その土台を作ったうえで、小学校高学年頃からは金融教育消費者教育といった高度なものを学んでいきます。

世の中の「お金の仕組み」を理解しよう

中学生くらいの年齢になると、一般的には基本的なお金の概念は理解できていると思います。お金を問題なく使えるようになったこの時期から、お金の仕組みについて学んでいきましょう。

今後、高校生、大学生となるにつれて、自分で稼ぐ判断する使うという機会が幅広くなっていきます。中学生のうちに、正しい使い方と判断の仕方、そして危険性についても家庭の中で教えていきましょう。

中学生向けのお金の教育方法

その1.さまざまな職業の年収を知る

まず、稼ぐというところに直結するのが、さまざまな職業の年収を知るということです。

中学生になると、将来なりたいものが具体的になってくる子も少しずつ増えてくる頃です。将来の夢について話したり、自分で調べたりしているとき、親はぜひお金という判断基準を追加してあげましょう。

将来の職業を選ぶ際には、「やりたい」「好き」という気持ちがとても大切ですが、同時に年収についてもきちんと把握しておく必要があります。自分の気持ち年収を天秤にかけて、たとえ年収が低くてもその職業に就きたいのか、やっぱり年収に重きをおくのか。それを子ども自身が考えられるように情報を与えてあげるのが親の役目です。

もし、子どもが年収よりもやりがいに重きをおいていた場合には、親は少し心配してしまうかもしれません。ですが、私はぜひその選択を尊重してあげてほしいと思います。

まず、子ども自身が選択をしたということ自体に大きな意味があります。様々な面からひとつの物事を考えて選ぶという経験は、今後の人生の選択の練習になるでしょう。

また、子どもが年収よりもやりがいに重きを置いたからといって、中学生の子どもが今すぐにその職業に就くわけではありません。将来本格的に職業を選ぶまでに考え方が変わるかもしれませんので、長い目で見てあげましょう。

それでも、「そんな悠長なことは言ってられない」と思う親御さんもいらっしゃるでしょう。特に、当ブログを読んでくださるのは、お金の大切さを理解し、それを我が子に教えたいと思う、意識の高い方々です。私も我が子に対して、年収の高い職業に就いて安心した生活をおくってもらいたいと考えています。でも、子ども自身が年収の大切さを理解してくれない…そんなときには、世の中にはたくさんの稼ぎ方があること、副業という選択肢があるということを教えてあげるのはいかがでしょうか。新たに副業という選択肢が増え、子どもも親も納得する選択になるかもしれませんね。

各職業の平均年収は、ネットで検索するとでてきます。お子さんと一緒に見て、親子で話してみてくださいね。

その2.銀行口座を開設してお金を入れる

子どもが生まれたときに銀行口座を開設し、お年玉など貯めてあげている親御さんも多いかと思いますが、子どもが中学生になったらぜひ、それとは別に口座をつくってみましょう。新しくつくる口座は親は関与せず、子ども自身が管理するものです。口座をつくる際には、どの銀行でつくるか、一緒に考えてあげましょう。

  • ATMが多い、利便性の高い銀行
  • 金利が少しでも多くつく銀行
  • よく見かける、馴染みのある銀行

このように、銀行にもいろいろな種類があるということを教え、どこの口座をつくるか、選んでもらいましょう。

自分で初めてつくった口座は、きっと特別なものになると思います。少し大人になった気分になり、自然と責任感もうまれるかもしれません。

口座開設の前に基本的な使い方(通帳やカード、アプリについて)と、自分で管理すべきだということをきちんと伝え、子どもが楽しく前向きに口座と向き合っていけるようにしてあげましょう。

その3.お金を得る方法を知る

中学生にもなると、仕事がお金を得る手段だということは理解していると思います。ここでは一歩進んで、仕事以外にもお金を得る手段があるということを教えてあげましょう。

お金の得る方法は、以下の4つに区分されます。

  1. 従業員(会社に雇われている被雇用者)
  2. 自営業(自分で会社や事業を経営している人)
  3. ビジネスオーナー(ビジネスの場を提供する人)
  4. 投資家(投資による収益を得る人)

このうち従業員自営業は労働の対価として収入を得る働き方をしています。この働き方をする人は、自分の時間を売ることでお金を得ています。労働をしないと収入を得ることができません。

一方、ビジネスオーナー投資家は労働をして収入を得るわけではありません。ビジネスオーナーは、働く場を提供して人に働いてもらい収入を得ます。また、投資家は株や不動産などに投資をして、投資をしている会社や物件に働いてもらっています。つまり、どちらも自分は労働をせずに、ビジネスやお金に働いてもらって収入を得ているのです。

従業員や自営業として働くこともお金を稼ぐ大切な手段ですが、お子さんには、自分が働かなくても稼ぐ手段があるということをぜひ教えてあげてください。自分の時間を売るのには限界がありますし、効率良くお金を稼ぐには、ビジネスやお金に働いてもらうことも大切なのです。

その4.詐欺について知る

現代は、スマートフォンの普及に伴い、誰もがインターネットにつながる時代です。便利になったのは喜ばしいのですが、ネット上での詐欺も増えてしまっているのが実情です。特に近年では、詐欺の手口は巧妙化されているため、ネットに近しい世代でも簡単には見抜けないことがあります。ネットに触れ始めた中学生頃の子どもには、親がしっかりと詐欺というものの存在と種類、そして対策を教えてあげる必要があります。

ここでは、代表的な詐欺を2つご紹介します。

架空請求

身に覚えのない料金を請求され、お金を騙し取られるというものです。

「〇〇の利用料が未払いです。早急に支払わなければ裁判を起こします。」といったメールが突然届きます。メールを受け取った本人は、「裁判を起こす」「自宅へ出向く」「学校に通知する」などの脅しの言葉に驚き、冷静な判断ができずに支払ってしまうことがあります。

【対策】
まずは、架空請求という詐欺があることをしっかりと教えましょう。そして、架空請求がきたら無視をして良いということ、不安な場合は親や学校の先生などの大人に、支払う前に必ず相談してほしいということを伝えましょう。

フィッシング詐欺

実際にある企業などと偽りメールを送りつけ、そのメールにあるURLからとぶホームページに接続させることでクレジットカード情報やアカウントなどを盗み取るというものです。フィッシング詐欺のメールやホームページは本物同様に作られているため、ぱっと見ただけでは本物かどうか判断ができないのです。

【対策】
まずはフィッシング詐欺というものの存在を教えましょう。そのうえで、メールのリンクは開かないこと、必要な場合は自分で検索してホームページを閲覧するというルールを決めましょう。

その5.キャッシュレス決済について学ぶ

どんどんと普及が進むキャッシュレス決済、今後もさらに拡大していくと予想されます。

キャッシュレス決済とは、紙幣や硬貨といったお金を使わずに、カードやスマホで決済する支払い方法のこと

キャッシュレス決済には、以下のような種類があります。

  • 電子マネー
  • クレジットカード
  • スマホ決済

キャッシュレス決済はお金を使わないので、時間もかからずとても便利なサービスです。お金を持ち歩く必要もありません。しかし、キャッシュレス決済は手元のお金がなくならないので、ついつい使いすぎてしまうという欠点があります。後日の請求で青ざめた経験がある方も少なからずいるのではないでしょうか。

世の中はどんどん便利になっていく一方で、自己管理が強く求められる時代となってきます。便利さと危険性を知り、正しくお金を使えるようにしましょう。

その6.モノの価値について一緒に考える

モノの価値によって、お金の量(価格)が決まるということを教えましょう。

モノの価値はどのようにして決まるの?

基本的には、そのモノを売る人が、買いたい人(需要)と売ることのできる量(供給)のバランスを見ながら決めています。

このバランスは、いつも変化しています。例えば、新型コロナウィルスが流行り始めたとき、マスクの値段が高騰しましたよね。これは、売ることのできる量(供給)に対して買いたい人(需要)が多くなったというのが理由です。買いたい人がたくさんいるので、売りては強気に値段を上げることができるです。

一度は高騰したマスクですが、その後たくさんの企業がマスク製造に参入したり輸入を増やしたりしたことで供給が増え、需要と供給のバランスがとれてきて値段が下がりました。

このように、需要と供給のバランスで価格は変化しているのです。

為替などによって影響が出ることも

為替の影響で、輸入品や材料費の値段があがることもあります。国内で売られているものの中には海外で製造されているものもたくさんあるので、世界の他の国の状況によって身近なモノの値段が変わるということも覚えておきましょう。

その7.親と一緒に投資を経験してみる

お金の勉強が進み、ある程度投資の意味を理解してきたなと感じたら、実際に親子で投資をしてみましょう。知識として知っているのと実際に体験するのとでは、理解度が大きく変わります。

一緒に相談しながら投資先を決めてほしいのですが、最終的には子どもの意見を尊重してほしいと思います。そして、その会社の株を買う理由を明確にさせることが大切です。

  • 好きなゲームの会社だから
  • 有名な名前の会社だから
  • これから伸びていきそうな気がするから

いろいろな理由が挙げられると思います。今回の投資は、稼ぐことではなく子どもに経験させるということが目的なので、大人からみてちょっと不安な理由であっても否定しないであげてくださいね。

株を買ったあとは、動向を一緒に見ましょう。毎日でも週に1回でもかまいません。大幅に上がったり下がったりしたときはチャンスです。その理由を話し合うことで、その会社の業績や政治面、経済面などさまざまな要素で株価が動くことを実感できるでしょう。

ただし、通常株価の売買は100株単位なので、それなりの費用がかかります。例えば、オリエンタルランドは1株2万円前後なので、最低の100株購入でも200万円がかかることになります。これでは、「損してもいいから子どもに体験させてみよう!」と気軽に始めることはなかなかできませんよね。

そこでおすすめしたいのが、LINE証券のひとかぶ取引です。ひとかぶ取引では1株から購入できるので、先ほど挙げたオリエンタルランドでも2万円前後で購入できることになります。さらに株価の安いものでは数百円単位で買えるものもたくさんあるので、今回のように経験として投資をする場合にはとても向いている方法だと思います。

たとえ数百円の株であっても、上がったり下がったりする動向を見ていくことで、「2倍になったってことは、もし100万円買っていたら200万円になっていたってこと…?!」などと、子どもらしいわくわくとした感想を持ってくれることでしょう。

まとめ

今回は、中学生向けのお金の教育についてお話しをしました。これまでの小学生以下向けと比べると難易度が上がりますが、教える側の親も楽しくなってくるかもしれませんね。

親も一緒に勉強していくことで、子どもはよりお金を身近に感じることができると思います。子ども自身の頭で考えること、実際に体験することを大切にすることを忘れないでくださいね。

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