お金の教育

子どもに「お金の教育」が必要な理由とは?これからの時代を生きる子どものために親が知っておくべきこと

こんにちは、2級FP技能士の紗季です。

このブログは親のためのお金の教科書です。「我が子に金融の知識を教えたい!」と思う親のみなさんに向けて、お金に関する知識、資産運用のノウハウや子どもへの教え方について解説しています。

さて、2022年より、高校の家庭科での「金融教育」が始まりました。金融教育が遅れているといわれる日本においても、いよいよその重要性が認識され始めたからです。それに伴い、幼少期からの家庭でのお金の教育についても興味を持つ親御さんが増えてきました。

そうはいっても、始まったばかりの金融教育。私たち親の時代には経験しなかったことなので、まだまだ理解しにくい方も多いと思います。

子どもにお金の教育って必要なの?

そこで、今回は「そもそも、どうして子どもにお金の教育をした方がいいの?」という疑問について解説していきたいと思います。

✔この記事でわかること
・お金の教育とは何か
・お金の教育をするべき3つの理由
・お金の教育をする上での親の心構え

この記事を読んでお金の教育の重要性がわかると、さっそく我が子への教育を始めたくなるかもしれません。今日、あなたが第一歩を踏み出せたなら、私も嬉しく思います。

ちなみに、「3歳の息子には早すぎるかな?」「高校生の娘にはもう手遅れ?」なんて思った方もいるかもしれませんが、どちらも大丈夫です。あなたのお子さんであれば、言葉が通じる年齢なら早すぎるということも手遅れということもありません。

それでは解説をしていきましょう。

お金の教育とは?

お金の教育とは、お金にまつわることを幅広く扱う教育です。

具体的にいうと、「お金とは何か」という原始的な問いから始まり、

  • お金との付き合い方を学ぶ金銭教育
  • 資産運用や経済を学ぶ金融教育
  • お金の使い方を学ぶ消費者教育

がメインとなります。さらには、詐欺などのお金に関するトラブルについても学びます。

年齢が低いうちは「おこづかい」や「貯金」など、直接お金に触れて学ぶ金銭教育がメインです。実際に体験することで、お金が増えたり減ったりすることや、お金でモノを買うことについての概念を理解していきます。その土台を作ったうえで、小学校高学年頃からは金融教育消費者教育といった高度なものを学んでいきます。

年齢別の教育方法が気になる方は、以下のリンクを参考にしてください。

なぜお金の教育をした方がいいの?

まずは、お金の必要性を明確にしていきましょう。

質問です。お金があまりない状態になると、どうなるでしょうか?

「好きな○○というブランドの洋服が買えなくなる」など、具体的に、1分間考えてみてください。

いくつか思いついたでしょうか?

私が思いついたものをいくつか挙げてみます。

  • スーパーで国産や有機栽培などの安心できる食材を買えなくなる
  • 子どもたちの習い事に制限が出てくる
  • 親も子も、おしゃれをすることが難しくなる
  • ママ友とのランチに行きづらくなる

こう挙げてみて気が付くのは、使えるお金が少ないと、本当はやりたいと思っていることができなくなるということです。あなたが挙げたものも当てはまっているのではないでしょうか?

やりたいことができないというのは、自由がないのと同じです。お金があればなんでもできるわけではありませんが、お金でたくさんの自由を得られることは事実です。

一方で、あまり物欲がなく、お金を使わずに生きているというタイプの方もいます。そういった方にとっては、自由を得るということがそこまで魅力的にうつらないかもしれません。しかし、お金で得られるものは自由だけではないのです。

お金で得られるもうひとつのもの、それは安心です。

例えば、以下のようなハプニングが起きてしまったとき。

  • 仕事がなくなった
  • 病気で働けなくなった

こんなときにも、たくさんのお金があれば当面の生活に困ることもなく、余裕を持って次の対応を考えることができます。

いざというときに焦らなくて済む!これがお金で得られる安心なのです。

お金の教育を受けたお子さんは、お金の増える仕組みや経済の流れを知ることで、将来、効率的にお金を得ることができるようになります。そして、自由と安心のある生活をおくることができるようになるのです。だからこそ、子どものうちからお金の教育をすべきということをおわかりいただけたでしょうか?

お金の教育をすべき理由=お子さんが自分の力自由安心を手に入れられるようにするため

さて、そんな大切なお金について、お金の知識がある人のほうがたくさん獲得しやすいというデータがあるのでご紹介します。

下のグラフは、金融広報中央委員会が金融リテラシー調査(※25,000人対象)を実施した際のデータです。縦軸が金融知識・判断力に関する正誤問題の正答率(=金融リテラシー)、横軸がそれぞれ年収と資産を表しています。

このグラフを見ると、金融リテラシーの高い人ほど年収が高く、金融資産も多く持っているということがわかります。金融知識と実際の所持するお金には、相関関係があるということですね。この結果からも、お金の教育の大切さがわかりました。

お金の教育で身につく嬉しい能力

自分をコントロールする力

お金の教育を受けると、自分の欲をコントロールできるようになります。

例えば、小さな子どもが「おもちゃ買って!欲しい!」と駄々をこねているのはよくある光景ですよね。子どもはまだお金の大切さや得ることの大変さはもちろん、そもそもお金の概念を知らないので、欲しいものはなんでも買えて当たり前だと思うのです。(それなのに買ってもらえないから泣いてしまうのですね)

そんな子どもが小学生になり、ある程度お金とは何かがわかってくると、駄々をこねることもなくなり、自分のおこづかいの範囲で欲しいものを買うようになります。お金の概念を理解すると、自分の買える限度を把握することができるようになるのです。

また、おこづかいが足りないということを何度か経験すると、「本当に必要なのかな?」「別のものに使ったほうがいいかな?」と自分自身に問いかけることができるようになります。これは、お金の大切さとおこづかいをもらうことの大変さを理解し、限られたお金を有効に使おうと考えることができるようになったということです。

このように、お金についての知識が深まると、お金を上手に使うことができるようになります。今回例に出したのは子どもですが、大人にも同じことが当てはまります。経済や投資についての知識を増やすことでお金を使うべきところかそうでないかを判断し、自分の欲だけでお金を使わないようコントロールができるようになるのです。

コミュニケーション能力

おこづかい制度は、お金の教育をするうえで最も気軽にできる体験です。

おこづかいをあげる際に金額はどうしようかと悩む親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、私はお子さんと話し合って決めることをおすすめしています。

  • 「毎月、漫画を一冊は買いたいな」
  • 「ごみ捨てのお手伝いをしたらいくらくれる?」

このように、子どもの意見を聞きながら、一緒に決めていきます。子どもの意見を聞くことで、自然とおこづかいのルール(※1)を決めることもできますし、何より子どもの交渉力が身につきます

※1 漫画は自分のおこづかいの中から、参考書は親が買う、など

子どもは賢いので、「どうやったらより多くのお金を楽にもらうことができるかな?」と考えるようになります。その結果、親に上手に交渉をしてくるようになるのです。このように実践を通じたお金の教育をすることで、社会生活で必要な交渉力をも身につけていくことができます。

教育する上での親の心構え

その1:お金に対してポジティブに考える

まずは、親御さん自身が、お金に対するイメージをポジティブなものにしていきましょう。

  • 「お金がない」
  • 「お金があっても幸せになれない」
  • 「投資で稼いだお金はダメだ」

これらはすべて、お金に対するネガティブな言葉です。親がこのような発言をしていると、子どもに「お金は良いものではない」と無意識に刷り込まれていき、将来お金を稼ぐことになんとなく罪悪感を持ったり、そもそもお金を稼ごうと思わなくなったりしてしまいます。

繰り返しになりますが、お金は人生を豊かにしてくれる大切なものです。

  • 「お金があるから豊かな生活が送れるんだよ」
  • 「投資をしてお金を得ることは、結果的に社会を良くしているんだよ」

こういったお金に対するポジティブな思考をし、子どもがリッチなマインドを育んでいけるようにしましょう。

その2:親も知識を増やしていく

子どもにお金の教育をするには、当然ですが親もお金の知識をしっかりと身につけておく必要があります。難しそうと思う方もいるかもしれませんが、子どもと一緒に勉強するつもりで、1単元ずつ理解していきましょう。内容はそれほど難しくないですし、すでに知っているものも多いと思います。子どものためなら頑張れるという親御さんも多いのではないでしょうか。

また、お金の知識をつけることは、親であるあなた自身の人生を豊かにすることにもつながります。勉強をしてみると、今まで知らなかったびっくりするような内容もあるでしょう。若いほうが有利にはたらくものもあるので、「そのうち…」と思わず、今日からさっそく勉強を始めていきましょう。

その3:経験をさせることがを心がける

お金の教育において、知識と同じくらい大切なこと、それは実体験です。子どもには、その年齢に応じた実体験を通じて学ばせてあげましょう。

実体験には、こんなものがあります。

  • おこづかい制度を採り入れる
  • 貯金箱にお金をいれる
  • 銀行口座を一緒に開設する
  • 株を買い、動きを一緒に観察する

年齢や知識の状況を考慮し、できそうなものから採り入れてみましょう。

子どもは遊び感覚で学んでいくことができます。親と一緒に、実体験を通して楽しみながら知識をつけていきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、子どもへのお金の教育が必要な理由と、教育するうえでの親の心構えについてお話ししました。

親の世代にはなかったお金の教育ですが、これからの時代を生きる子どもにとってはとても大切なものとなります。将来、お子さんが豊かな生活をおくれるよう、小さな頃から土台作りをしておいてあげましょう。

また、年齢別のお金の教育方法は、以下の記事にまとめてあります。ぜひ参考になさってください。

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